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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.265

フランスからやってきた、超弩級の官能大作! 禁断の恋の行方『アデル、ブルーは熱い色』

adele-blue03.jpg青い髪のエマを演じたレア・セドゥは上流階級育ち。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11)では女殺し屋でした。

 本作の味わいを特別なものにしているのは、美しい同性愛映画であること以上に、主人公アデルの成長ぶりが鮮やかに描かれている点だろう。破局を迎えた恋人たちは深夜のファミレスやハンバーガーショップで往々にして罵り合うものだ。「あなたと付き合った今までの時間を返してよ」「それだったら、お前のために使った食事代とホテル代を先に返せよ」などなど。人間は誰しも終わった愛を悔やみ、激しい負の感情に囚われる。アデルもまた、エマが自分にとって最高のパートナーであることを知った上で、愛の終わりを苦々しく受け入れる。物語の冒頭、まだあどけない少女だったアデルが、すっかり大人の女に成長を遂げていることに再び驚く。

 報われぬ恋、許されぬ恋、歪んだ恋……、どんな愛の形であれ、生きとし生きるものは愛を知ることで育まれていく。『アデル、ブルーは熱い色』は愛の真理について穏やかに、そして情熱的に語り掛けてくる。
(文=長野辰次)

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『アデル、ブルーは熱い色』
原作/ジュリー・マロ 脚本/アブデラティフ・ケシシュ、ガリア・ラクロワ 出演/レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシゥシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラユルト、アルマ・ホドロフスキー、オーレリアン・ルコワン、カトリーヌ・サレ、ファニー・ラモン、バンジャマン・シクスー、サンドール・フンテク 配給/コムストック・グループ R18+ 4月5日(土)より新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー 
(c)2013- WILD BUNCH – QUAT’S SOUS FILMS – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – RTBF (Télévision belge) – VERTIGO FILMS
<http://adele-blue.com>

最終更新:2014/03/29 21:00
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